2017年7月30日日曜日

ネアカ

「まぁわたしも、ふだん決してネアカな方ではないのですが」そう喋った直後、脳内でピロンとアラームが鳴った。

「...そ、そうポジティブに考えるよう、いつも心掛けています」必死につなげたものの、ささやかな動揺は隠し難い。

口から「ネアカ」とこぼれ出た瞬間に感じたこのひんやりした空気は、エアコンの除湿効果ではないはず。たぶん(既に死語である)死語っぽいけど、そのキョトンとした感じは、やっぱり通じてない?

整体のお客様がおっしゃる、「わたし交通事故で骨折したことがありまして。それ以来肩の調子がわるい気がするんです。え?事故の時期ですか?二十年前です」という御相談に答えていた際のことである。

わたしはこのような御相談に対してしばしば、「事故は確かにおつらかったですね。事実骨や関節に器質的な変化が起こったかもしれません。でもでも、肩凝りはきのう寝転がってスマホを見ていたからひどくなったのかもしれません。『あの時あのクルマにぶつけられなければ!あの時あいつにぶつけられたせいで、私は今こんなに!』と思うのは簡単です。絶対勝てる意見を言うのは気持ちいいですが、日頃からねこ背にならないよう気を付けたり、疲れをためないよう、ひどくなる前に日常からケアをしておく(さりげなく自店宣伝うまい)という努力をさまたげてしまうと思うんです」などとお答えしています。


...念のため「ネアカって通じました?」と震え声を隠しつつおたずねすると、「なんとなく。前後とかから」

大人だ!天使かよ!しかし三十代後半には通じないのか、タモリさんの造語は!
笑顔が素敵だったせいか、「三十代後半のくせに。そんなに若くはないくせに」「アラフォーのくせに知っとけよ!」なんて毒は決して飲み込んでおりません。



関連URL: ネアカ、のびのび、 へこたれず (ダイエー創業者 中内㓛の座右の銘) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%86%85%E5%8A%9F


関連書籍: 近藤正高『タモリと戦後ニッポン』 http://amzn.to/2vb7K9w (講談社現代新書)